ハットフィッターのお仕事
1.頭のサイズを測る
ハットフィッターのお仕事はまず、目の前のお客さまの頭のサイズを測ることから始まります。
ところで、丸い物のサイズってどうやって測ったらいいんでしょう??
帽子の学校では、帽子のかぶり方によって3種類測るところがあると習いました。
でもね、そんな悠長なことなかなかできません。
服の場合はどこからどこまで測るのが何という名前で、それにしたがってJIS規格で服のサイズが決まるようです。
服も靴もそれがあるのに帽子はどこをさがしても出てきませんでした。
いろんな帽子販売サイトを見ても、けっこうバラバラ。
みなさん、経験でその測り方を編み出しているみたいだったので私も気軽に行こうと思うようになりました。
そこでこのように統一しました。
眉間より1センチ上にメジャーの下端がくるようにし、耳の上端を通る頭の周を測ります。
測るとき、余裕としてメジャーと頭の間に指1本いれます。
それで出た数字をヘッドサイズとしました。
ヘッドサイズのはかり方
いままで1400人の成人の頭のサイズを測りまくり、帽子のお困りを聞き取った結果
市販の帽子がサイズ的に合わない、という人が意外に多いことがわかりました。
それもそのはず市販の帽子のフリーサイズ、また、ワンサイズ と呼ばれるものは
57.5cm。
でも実際に頭を測ってみると男性も女性も一番小さい人と一番大きい人との間には10cm以上
も違いがあったるんです。
それを棒グラフにしてみると案外なだらかな山になったので、帽子のサイズで苦労している人は多いとわかりました。
2.帽子のえらび方をお伝えする
さて、その1400人というのは、帽子に興味があるなしに関係ないありとあらゆる老若男女です。
その方々の中でサイズを抜いて帽子のお困りのナンバー1は、似合わない、ということでした。
帽子が似合う、もしくは好き、と自ら言う方は実に10人に1人くらいしかいませんでした。
そこで似合う帽子について考えまくりました。
そもそも「似合う」ってどういうことだ?と、哲学もしました。
国語辞典的には調和する、という意味でしたが、「似合う洋服」とか「似合う帽子」などというときは
それを身に着けるとその人が魅力的に見える、という要素が含まれると思います。
それを踏まえて
帽子が似合わない、ってどういうことなんだろう、と考えました。
帽子をかぶると魅力が下がる、かぶらない方がマシ、ということになってしまいます。
でも帽子全般がすべて似合わない、というのは
たとえば 靴が似合わない、というのと同じくらいナンセンスです。
そんなことはないはずです。
そもそも人々が考える帽子、ってどういうものだろう?
と思ったときに、まず思いつくのは
いわゆる絵で描いたような”帽子”でした。
こんなような、何々ハット、という、形によって名前がついている帽子です。
これらが似合わない、ということは、帽子の方にも問題があるのではないか、と考えたのです。
そして出た結論は
”帽子の方に自己主張をやめてもらったら似合う人が増える”。
どういうことかといいますと。。
かっこいい形の帽子、きれいな形の帽子、というように、帽子にちゃんとした形があるものは
その形に似合う顔型の人に似あいます。
・・・ということは、逆に言うとその顔型の人に限定されてしまう、ということです。
でも帽子の方が形をあいまいにしてくれたら似合う人が増えたのです。
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3.帽子をクリエイトする
”多くの人に似合いやすい帽子” が分かってからは、帽子のデザインをするのに
ひとつ軸が加わりました。
しかし、多くの人に似合いやすい帽子、って並べてみるとけっこう地味だったりします。
それはやっぱり色にありました。
オフホワイト、ベージュ、グレー、黒
あたりはたしかに他の色と合わせやすく、それゆえ売れ筋でもあるのですが
だからといってこんな色ばかりでは元気がでてきません。
そこで、ベーシックな色の他に、気持ちを明るくする色も積極的に取り入れています。
カラーコーディネイトの知識も使って、お似合いの色や、またお似合いの素材も提案します。
4.帽子を販売する
こんな考えのもと
自分で作った帽子、
自分がデザインして他で作ってもらった帽子、
他作家さんの帽子、
を販売しています。
サイズは、大きいサイズを中心にしています。
というのは自分自身も市販の帽子が小さくて困っていたというのがあります。
それと今はサイズ調節できる帽子が主流ですが
サイズ調節しても帽子を大きくすることはできないからです。
そしてなにより大きいサイズの女性向け帽子は世界中探してもあまりないということがわかったからです。
「サイズでみなさまの役に立ちたい」
これに共感してくださった帽子作家さんの帽子も販売しています。
帽子のオーダーがあったときは帽子作家さんとお客様をつなぐ役割もしています。
5.帽子の楽しさをお伝えする
インスタグラムやフェイスブック、ブログなどの他にこんなこともやっています。
1.帽子屋さんのお茶会
カフェの一室を貸し切ったり自宅にて帽子の選び方をお教えしています。
ドッグカフェや高齢者施設にも出かけます。
2.帽子のかざりを作るワークショップ
帽子の学校時代から、飾りを作ることが得意でした。
ということで、いろいろな素材を自由に組み合わせて
ご自分の帽子にぴったりの飾りを作ってみるワークショップを開催しています。
くわしくは帽子の楽しさを伝える活動をご覧ください。