ベレーのおはなし その1 ~平面で立体を作るための基本。2枚はぎベレーと8まいはぎベレー~
ベレーは、もともとフランスとスペインの国境地帯にある バスク地方の民族衣装のようです。
以前テレビを見ていたらそこのおじさんがこんなベレーをかぶっていました。
バスク地方のとは違って一般的なベレーの形は丸っこいものです。
フェルトのベレーを街でよく見かけますが、フェルトは織物ではなく 羊毛を縮ませたものなので、フェルトの帽体を型入れすれば縫い目のないベレーが作れます。
しかし布をぬいあわせてベレーを作るにはどうするか。
丸い(球体)部分をどう切り分けるか、という問題は 帽子全般のクラウン部分の型紙つくりに通じます。 丸い頭に平らな布をそわせるのは難しく、それゆえの面白さもあります。
今までいろいろな帽子の紹介をしてきましたが 作り方の中で、ぐるぐる巻きにしていくブレードの帽子は 私の中では縄文式土器の作り方です(笑) 型紙の中で2まいはぎといえば、一番単純なものでは円プラス長方形なのですが、 メルカトル図法を思い出してしまいます。
6まいはぎとか8枚はぎとかはグード図法(調べた)です。
昔から人間は球体を平面であらわすのに苦労してきたのですね。。。?
地図は紙ですが、帽子は布なので、型紙と、あと、布の伸びを利用して 球のような立体にしていくのです。
そういえば帽子の学校で最初に習ったのはベレーでした。
2枚はぎと8枚はぎをつくりました。
よし、取りだしてみよう。 これが2枚はぎです。
これは上の円の部分を最大にする、デザイン寸法最大、というので作りました。
このカンタンそうにみえる2枚はぎ、なにが難しいかって円を縫い付けるところなんです。
この、カーブのちがう曲線どおし、または曲線と直線をぬいあわせる、という作業が 帽子づくりの難しさのひとつだと思いますが、慣れてくるといろいろに遊べて 面白くもなってきます。
こちらは8まいはぎです。
この難しさはズバリ、最後の頂点を合わせるところです。
特に布が厚いと、いくら待ち針をちゃんと打ってもなかなか合いません。 3,4回やっても合わず、泣きそうになったことが何度もあります。 (今でもたまに。。。)
やっと合いました。
ベレーのかぶり方がわからない、という方が多いですが、 ビギナーさんは一つめはバンド(サイズ元からの立ち上がり部分)のある、やわらかい、デザインの大き目のものを選んでみてください。
そしてななめにかぶったり、いろんなところをへこませたりしてください。
最近はデザインの小さな、縫い目の多い、変わった型紙で作ったベレーをよく見かけます。
縫い目が多いと見た目的にも実際もかたくなり、たれてはこなくなりますが、 そういうのを素直にちょこんとかぶるのもかわいいと思いますよ。
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★京都の帽子屋さん*帽子屋ポピンズ 帽子プロデューサー。
★自身が、帽子が苦手だった経歴をもつ。
★1000人以上の女性からヒアリングしてわかった、”多くの人に似合う帽子”をプロデュース。
★帽子の形・色・素材・それにかざりの効用で似合う帽子を選ぶやり方をレクチャー。帽子の楽しさをお伝えしています。
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