赤毛のアンの帽子
作品展をしたとき、おはなしの帽子、として、3つ帽子をだしました。
メアリーポピンズの帽子、“マドレーヌといぬ”のマドレーヌの帽子、そしてこの赤毛のアンの帽子です。
これはいわゆる麦藁帽子(ストローハット)で、麦の茎を材料としたモットルというブレードで作っています。 幼稚園などの制帽で使われているものと同じだと思います。
このブレード、硬い上に幅が5ミリしかないのです。 それをすこしずつ重ねて縫っていくのですが縫えずにおちてしまうところが続出。 また、これだけ細いと長さが要るわけですが 束から出していくとどうしてもねじれてくるわけです。 それをねじれないようにするのも大変でした。
ブレードミシンは、ぬいながらときどき型にいれて修正していきます。 (達人になると木型にいれなくても手加減で最後までできてしまうといわれています。)
修正に修正を重ねました。
ところで、この帽子は“赤毛のアン”で、アンがはじめて日曜学校に行ったときのお話からイメージしたものです。
アンはまわりの女の子たちと同じようにふくらんだそでの洋服を着たいと思っているのに マリラはそんなのを着るのはばかげている、といって、地味な服を着せます。 その上にあっさりした帽子まであてがわれてアンはがっかりしてしまいました。 リボンや花のかざられた帽子を思い描いていたのです。
そこでアンは、道端のきんぽうげや野ばらで帽子をかざりました。
実はこのときの帽子はカンカン帽じゃないのですが_。
アンのイメージのカンカン帽に、日本だったらこうなるかな、と思うようなお花をかざりました。
たんぽぽ、しろつめぐさ、クローバー、カタバミです。
しろつめぐさはどこにも作り方が載っていなかったので 山上るいさんの本のデージーの作り方を参考にして作りました。
うすーい布を小さなはさみでこまかく切って、細いひとつひとつのはなびらを折って 立体的にしたものをたくさん重ねてやっとひとつの花になります。
・・・・・タイヘンでした。
話はかわりますが“赤毛のアン”といったらなんといっても村岡花子訳ですよねーー
マシューの“そうさな、”というせりふ、 作る、ではなくて“こしらえる”、 それから、もはや想像するしかない“黒と白のごばんじまの綿じゅす”などの どこか惹かれるコトバたち。。。
大好きです。
この帽子はカンカン帽風ではありますが クラウンは深めに、かぶりやすく作っています。
ブリムもまっすぐ水平ではなく、すこし傾斜があります。
このリボンですが、どうしようかずいぶん考えましたが 結局幅広のきれいな水色のグログランリボンにしました。
花をひきたてながらそれ自体もかわいくて、すごく気に入りました。
どの行程も手間と根気が要った帽子でした。。。
このごろは、こんな手のかかる帽子はなかなか作れなくなってしまったので いろんな意味でなつかしい帽子です。
これを好きになってくれる人のところに行って欲しいなーと思っていたところ、 手作り市にてお買い上げいただきました。
今ごろどうしているかな。。。?
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★京都の帽子屋さん*帽子屋ポピンズ 帽子プロデューサー。
★自身が、帽子が苦手だった経歴をもつ。
★1000人以上の女性からヒアリングしてわかった、”多くの人に似合う帽子”をプロデュース。
★帽子の形・色・素材・それにかざりの効用で似合う帽子を選ぶやり方をレクチャー。帽子の楽しさをお伝えしています。
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