吉野の桜を見に行ってきました 後編
次の日は近鉄線の大和八木にある、今井町をたずねました。
八木西口駅を出てしばらく行くと今井町に着きました。
江戸時代かにタイムスリップしたかのような異空間です。
他にもこういうところはあると思いますが、全く観光地化されていなくて実際に人がすんでいる町だというのが
めずらしいところです。
銀行も郵便局も町並みにマッチしてるぅ~(←駄ジャレになってしまったw)
パンフレットを見ると、中を見学できる家もあるみたいですが何しろ今でも実際に人がすんでいるところなので
ほとんどが要予約。
ひとつだけ予約の要らなかった旧米谷家というところに行ってみました。
ここは金物屋さんだったそうです。
大きな土間にはおくどさんが。その上半分のしきりが「煙返し」で、
煙がたたみの部屋にはいってこないためのものだそうです。
通り沿いには店舗としてつかっていた部屋、他に寝室、仏間など
たくさん部屋があって、町案内の方に詳しくお話をきくことができました。
当時は平屋ばかりだったのですがここにはハシゴをつかってのぼる2階のようなところもありました。
でも今でいう”ロフト”のような存在だったとか。
倉庫としてつかっていたそうです。
しかしもっと広いロフトに出来たのに、と思ったら
仏さんを踏んではいけないということで、仏壇のある部屋の上に部屋を作ってはいけなかったんだそうです。
このあたりはよくテレビなどのロケに使われるそうで
最近では”ごちそうさん”で使われたらしいです。
電線なんかはCGで消して、町名の看板などはうまいこと貼紙で隠したりするらしいですよ。
そこの案内の人が“今西家”は見た方がいいと強く勧めてくれました。
要予約でしたが今ここで予約してもいいらしいです。
それって予約っていうの?(笑)と思いながらダメモトで電話してみたら
むしろすぐならOKというかんじだったのでさっそく行ってみました。
花をきれいにかざっている家が多いです。
室外機すら町並みにとけこんでいます。
これもいいかんじ~
今西家が見えてきました
今西家は商家ではなく、行政や司法にかかわっていたところなんだそうです。
この広い土間のようなところは“お白州(おしらす)”といって
ここで裁判があったのだそうです。
そしてハシゴのあるところ、左右に扉があるのは“いぶし牢”といいます。
右が女性用、左が男性用で、白状しない輩はここにとじこめて煙でいぶしたんだそうです。
それでも吐かない場合左の牢屋にいれました。(もう牢屋はなくて扉だけがのこっています)
消火栓の上の小窓から食料をさしいれていたんだそうです。
こんな大きな空間を支えていたのがこの巨大な栂の丸太でできた梁です。
奥の2本は昔のままのもの、手前だけが最近のものだそうです。
昔は山から切り出して川に流しながら運んだそうです。
ここに来てからは煙でいぶされてこんなに黒くなったそうですが
水と煙で強くなったのに比べ手前のはそういう過程を経ていないのでひび割れたのだということでした。
ふすまの溝の長さに差があって、部屋の使い方によって溝を使いわけるそうです。
面白かったのが
この”自動ドア”。“猿おとし”といいます。
からくりになっていて、閉めると杭がおちてきて鍵がかかるのです。
中からは開けられますが外からは開けられないそうで。。。
中にだれもいないことはなかったんでしょうか。
もしそんなことがあったらどうするつもりだったんでしょうねー
庭には結界石が置いてありました。
このむこうでは子孫の”今西さん”が本当に住んでいるからです!
こんな無粋な看板を置くのとでは全然ちがうんですよ、と力説されていました。
今井町は寺内町(じないちょう)といって、もとは町全体が称念寺というお寺の境内だったんだそうです。
はじめ今井町は称念寺とともに織田信長と戦っていましたが、
延暦寺が信長にやられてからお寺は逃げてしまい、お寺と組む必要がなくなったので降参したんだそうです。
でもそのあっぱれな戦いっぷりがを織田信長が賞賛し、今井町に自治権を与えたんだそうです。
自分たちで自治権を勝ち取ったというのは誇りだったでしょうねー
その今井町の町政を担った惣年寄の筆頭が今西家だったというわけです。
いつも敵は西からやってきていました。
今西家はもともと「川井」家」だったそうですが今井町の西のはずれにあったので、
今井の西を守るということで「今西」という名前を与えられたそうです。
なので西からみた今西家は
お城のような面構え。
ふだん町人がやってくる北側は
こういうふつうの商家のような面構えになっています。(もともとの苗字だった川井の家紋がみえます)
今井町は環濠(かんごう・町のまわりをとりかこんだお堀)で囲まれていて
ヨーロッパにある中世の城砦都市みたいです。
いいところだし勉強にもなるのでおすすめです!
吉野の桜を見に行ってきました 完
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★京都の帽子屋さん*帽子屋ポピンズ 帽子プロデューサー。
★自身が、帽子が苦手だった経歴をもつ。
★1000人以上の女性からヒアリングしてわかった、”多くの人に似合う帽子”をプロデュース。
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