ほっこり考 ~「ほっこりした」は「ちょっと疲れた」という意味だった?~
京都の友人のブログをみていたら
「“ほっこり”というコトバは私は“ちょっと疲れた”と いう意味で子供のころから使っていた。まわりもそうだった。 なんかこのごろの使い方、違和感がある~」 というようなことが書いてありました。
えーーっそうだったの?
この人は京都生まれの京都育ち。
こんな話題にこの私が食いつかないはずがあろうか、いやない。
・・・ということで今回ピックアップしてみました。
ほっこり
考えてみればこれ、何年か前から急に使われだした気がします。
喫茶店を“カフェ”、というようになってから カフェとセットで急速に広まって行ったような気も。
(カフェって、喫茶店をかっこつけて言ってるだけですよね、ね、そうですよね??)
よく聞きますね、 “ほっこりカフェ”とか“カフェでほっこり”。
これ、本来の意味ならば “ちょっと疲れるカフェ”、“カフェでちょっと疲れる”。。。
あまり行きたくないかんじです。
語感からして暖かいイメージがあるので 秋冬の季節に使われる頻度が高い気がします。
ほっこり三選
たとえばコレ。ほっこりエコな湯たんぽ。生協のカタログより。 ちょっと疲れるエコな湯たんぽ??
そして私の好物、おさつスナックの秋冬限定バージョン。
これと一緒に飲むコーヒーがまたオツでして。。。 お口にいれるとふんわり、そのうち疲れてくる…??
“ほっこり”って 今では癒やされる、とか、ほっとする、という意味で使われてますね。
これが京都原産のコトバとは全く知りませんでした。
その友人の見解が正しいのならば
京都の人はなぜこの間違った使い方に対して抗議の声をあげないんでしょうか。。。
・・・と思っていたらぬぁんと!
京都府主催のイベントの お知らせチラシにもほっこりの文字が!
これまさかちょっと疲れるマーケットではあるまいね。
ちょっと疲れるほっこり体操ってのも、若干意味不明。
抗議の声をあげるどころか、 間違ってる方があまりにも有名になってしまったため
本家の方がちゃっかりその恩恵を拝借しているようにも見えます。
こんなんでいいのか?京都。
古都のプライドはいずこに!
ほっこり考
そもそも私の小さい頃は”ほっこり”というコトバはありませんでした。(@昭和の九州)
なぜこの京都の方言が、ちがう意味で日本中に広がったのか。
一人悶々としていると敬愛する松本幸四郎さんの文章の一節に出会いました。
(別に松本幸四郎の文じゃなくてよし)
それは“ほっくりふけた芋”というフレーズ。
私はこんな言い回しはしたことないのですが、日本人ならすぐイメージわきますよね。
芋や栗などがおいしそうに蒸しあがった様子を“ほくほく”というので、”ほっくり”もそこから来たのでしょう。
冬の寒い中で食べる温かくて甘いものの持つ幸せなイメージ。
そのイメージを、似ている”ほっこり”に当てたのであろう。。。
などと自分なりに一応結論づけして、 友達が調査中とのことだったので結果を楽しみに待っておりました。
そして先日発表されました!
詳しくはこちらのkyosyugei様のブログをどうぞ。
”ほっこり”はもともと(たぶん昭和の京都くらい)“疲れたが、安堵の気分になる”という意味で使われていたようです。
ということは これ、今使われている意味”安堵の気分になる”も内包していたのですね。
片一方の“疲れたが”の方が抜け落ちて もう片方の”安堵の気分になる”だけが残ったもののようです。
ナルホド。
それから注目すべきは、昭和よりももっと昔、元来は“疲れたが”の 部分の意味はなく、単に“温かくほかほかするさま”だったようで それならば今の使われ方の方が元来の意味に近く、古代回帰?しているようだということなのです。
余談ではありますが、おいしそうな芋の様子じゃなくて焼き芋や蒸し芋そのものを むかし(江戸時代)は“ほっこり”と言っていた、 というのにはすこし興奮しました。(説明文のところ、よーく見たまえ)
ということはおさつスナックのあの袋の焼き芋、
たぶんカルビーの広告企画係の人は知らないで使っているんだと思うけど偶然“ほっこり”の写真を載せてたんだ!
ま、芋もカフェも湯たんぽも、 想像するだけで気持ちが温かくほかほかしてくる、ということで、難しい話はもういいじゃないですか。
・・・って、難しくしてるのはワ・タ・シ
しかしほっこりマーケットとほっこり体操だけは最後までイメージがわかぬ…。
京都原産のコトバたち
ほかに、京都のコトバに“はんなり”があります。
その昔国生さゆりが出てた口紅のCMで初めて聞きました。
バスケットボールの“京都ハンナリーズ”で京都とのつながりがわかりました。
はんなり、ほっこり、ときたらアレもきっと京都だろう、 と私がアタリをつけたコトバ、
“まったり”。
やっぱりそうでしたよ。
しかしたまたま撮ってた写真がおさつスナックだったためまたしてもひとつ賢くなってしまった。
は~、急に食べたくなってきた、おさつスナック。
コーヒーとともに。。。
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★京都の帽子屋さん*帽子屋ポピンズ 帽子プロデューサー。
★自身が、帽子が苦手だった経歴をもつ。
★1000人以上の女性からヒアリングしてわかった、”多くの人に似合う帽子”をプロデュース。
★帽子の形・色・素材・それにかざりの効用で似合う帽子を選ぶやり方をレクチャー。帽子の楽しさをお伝えしています。
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ン十年も前の話!そのころから使っている人がいたのですね。
Oさんのオリジナルな使い方だったんだと思うけど
今の使い方そのものですね!
今も昔も変わらぬ魅力・・・
それが“ほっこり”という音のもつ癒やしの響きなのですね。
ほっこり ということばを初めて聞いたのは、おそらくOさんと一緒に行った北海道旅行でです。
「・・・ほっこりしようか!?」とおやつに誘われたような憶えがあります。
Oさんの癒しの雰囲気と、ほっこり という語感が非常にマッチして、とても温かい気持ちになりました。
それ以来 ほっこり にずっとあこがれていました。
そのころはとても耳にあたらしかった ほっこりも、いつのまにか全国共通になり、驚いております。
特に今シーズンは世情・寒さもきびしく懐もさびしいせいか、ほっこり の温かみが身にしみるようです・・。