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チューリップハット奮闘記 vol.2 ~型紙作り~

さてお送りする前にかぶってみました。
オーダーは58cm.
私は頭が61cm。
なのに余裕で入る!

6まいはぎの帽子の注意点

6枚はぎの帽子なんかを作るときには
縫いしろをしっかり同じ幅でとっていかないと
簡単にサイズが変わってきます。
6枚はぎの1枚1枚を、たとえば2ミリずつ縫い線の外側を縫ってしまったら
2ミリ×12で2.4センチもサイズが大きくなってしまうのです。

しかしながら厚みのある布の場合
少し余裕を持たせないと小さくなるし、
しかも表も裏も厚みのある布のリバーシブルとなると
厚みを2つ分考慮に入れなければいけない。

型紙のサイズは間違っていなかったし
縫いしろを大きく外れているところもなし。

単に大きいというよりフィット感がないというか。。

これは型紙そのもののせいなのかも。。
実績のない型紙を使うとこうなります。。
いろいろ考えたらこんがらがってきたけれど
作り直そうと思っても
どう作り直せばいいのかわからない。

はじめから不都合があればもう一度作り直しますと言っていたので
これは勉強のためでもあるし
一度お客さまに送ってみることにしました。

帽子が戻ってきた!

しばらくしてお客様から連絡がありました。

大きすぎる!
そして、洗えば小さくなるかもと思い
洗ってみても変わらない。
ということでした。

今使っているチューリップハットのかぶり心地が
気に入っていいるのでそんなのがいい、
とのことで送り返すときに
今使っているお気に入りも
一緒に送ってもらうことになりました。

これがそのお気に入りのチューリップハット。(以後Aとします)


裏はチェックのリバーシブルです。
布はコットンでやわらかく、6枚はぎで全部ななめにきりかえてあって
頭によくフィットします。

こちらはvol.1にも載せた理想のチューリップハット。(以後Bとします)

これらがいかにちがうかわかりますでしょうか?

かぶり心地でいうと
一番の違いは
Aはサイズ元(サイズもと、サイズを決めるぐるりの1周の線のこと)
で少しすぼまった形だったことです。
これで頭をしっかりつつんでくれるんです。

却下された帽子はBに近づけるためすぼまりの部分は
甘くしていました。
なので今度はサイズ元をしっかりすぼまらせたものを1個作ってみました。

しかしまだ頭を入れる部分が浅い感じ。

これは型紙作り直すしかない~!

型紙を作り直す

Aのかぶり心地のよさを追求しながら
Bのカッコよさも実現していく、というのがお題になりました。
すぼまった形はカッコよくはないので
カッコよさは下向きのブリムで実現することにしました。

まず
下向きのつばである、「急下がりブリム」というつばの型紙を作りました。

それを6分割し基本の丸クラウンと合わせます。

気を付けたことはこの矢印の部分をあいまいにしないでちゃんと角度をつけて縫うこと。
これですぼまりをはっきりさせることができます。

できました。


茶色い方が最初に作って返された方のパーツ。
その上に今回の型紙を置いたところです。
どちらも縫いしろ込みです。

ほとんど変わらないって?いや、変わるんですよこれが。

・サイズ元線を下に移動し頭を入れる部分をゆったりさせた。
・頭を入れる部分とつばの境目をはっきりさせ、すぼまった形にした。
・つばを短く下向きにした。

これらが変えた点です。
1まいだけではよくわからないかもですがこれが6枚になるとだいぶ変わります。

次の記事 チューリップハット奮闘記 vol.3 ~かぶり心地問題~


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帽子プロデューサー みすみ

★京都の帽子屋さん*帽子屋ポピンズ 帽子プロデューサー。
★自身が、帽子が苦手だった経歴をもつ。
★1000人以上の女性からヒアリングしてわかった、”多くの人に似合う帽子”をプロデュース。
★帽子の形・色・素材・それにかざりの効用で似合う帽子を選ぶやり方をレクチャー。帽子の楽しさをお伝えしています。
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