帽子のご注文のおはなし その6
Cさんは、こんな方です。
70代。ゴージャスな雰囲気がある人。 人の前に立ってお話をすることも多いようなお仕事。 色指定は黒か紺。
今回このCさんの帽子が思いつかなくて困りました。
もしかして帽子をかぶったままいろんな人の前でお仕事をされるかもしれないと 思うと緊張してきます。
形はおまかせだったのでベレーにしようかと思いました。
けど、なんだかCさんの顔に普通のベレーの形は平凡すぎる気がする・・・
ということで、“大人のキャップ”という風のを思いつきました。
よく若い人がクラウンがたっぷりめのキャップをかぶっていますが Cさんにはカジュアルすぎると思ったので、 得意の(?)オーガンジーとチュールで丸クラウンの土台 をつくり、それに、ほんのちょっとふくらませた 6まいはぎクラウンをかぶせています。
このサイズ元のベルト部分__ 今回の急所はココでした。
ここはキルト芯にジャージ生地をかぶせているのですが
1.エッジは輪になっている。
2.ベルトの内側にサイズリボンをぬいつけ、その縫い目が表に出ない。
いろいろ考えるとこの2つの条件をクリアしないと、思い描いた帽子が作れない と悟り、それこそ頭の中でぐるぐると3D画像をまわして作り方を考えました。
究極のふくろぬい&落としミシンをしてやっと完成。
スワロフスキーのブローチをつけました。
明日東京に仕事に行く、という前日におわたしできました。
待ち合わせ場所にあらわれたCさんは仕事帰りだったのに 思ったよりかなりカジュアルな格好でした。
バリバリのキャリアウーマン風の格好しかみたことがなかったので びっくりしましたが、私がそんなに気を張らなくてもよかったみたい、 と気づいてちょっとほっとしました。
考えるのも作るのも一番苦労しましたが、かぶってもらったら 贔屓目をさしひいても、すごくよくお似合いだとおもいました。
この記事を書くために“ふくろぬいのおはなし” を書いたのですが、ずいぶん時間が開いてしまいました・・・
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★京都の帽子屋さん*帽子屋ポピンズ 帽子プロデューサー。
★自身が、帽子が苦手だった経歴をもつ。
★1000人以上の女性からヒアリングしてわかった、”多くの人に似合う帽子”をプロデュース。
★帽子の形・色・素材・それにかざりの効用で似合う帽子を選ぶやり方をレクチャー。帽子の楽しさをお伝えしています。
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