デザイナーの帽子 ~思い出の帽子
友達の形見の帽子と同じものを作ってほしい
というご依頼がありました。
聞くとこの方、亡くなった友達の帽子を50年以上かぶりつづけているそうです。
さすがにぼろぼろになったので新しいのに変えたいとのことでした。
“クローン帽子”を作ってほしいとおっしゃったので身構えました。
ボロボロさ加減まで同じ帽子って無理!___
と思いましたが、よくお聞きすると、デザインが同じであればいいということでした。(ホッ)
そして分解して型紙をとってもいいとも言われました。
届いた帽子は想像通りのものでした。笑
新品ならともかく、何年も人がかぶった帽子というのは生地が伸びているので
分解しても型紙は取れないのです。
しかも今回は思い出のつまった帽子。
ということで分解せずに型紙を取りました。
パーツごとに寒冷紗で形を写し取り、左右できれいに形が取れた方を採用し、左右対称の型紙にします。
そして長さのつじつまを合わせ。。。
なんとか型紙を作ることができました!
サイズを少し小さくしてほしいとのことだったので縮小コピーしました。
さて布地です。
その帽子はかなり厚くてごついものでしたが、厚みはちがっていてもいいいとのことでした。
だからといってあまり薄いとこの帽子のよさは出ません。
あんまり厚すぎないけど、薄すぎもしない布。
そして、カジュアルなデザインでも
プロフェッショナルな仕事をする人にふさわしいような
高級感もある帽子。それに適した布__。
探していたとき運命的に
ビンテージデニム というのに出会いました。
少し蝋をぬったようなハリのある生地。深いインディゴブルーに一目ぼれしてしまいました。
そしてできたのが右側です。
前の方にかざりがあったのでそれも再現してみました。
今ここで失敗したらオワリ、という緊張感の中
トンカチでスタッズを打ち付けましたがうまくできました!!
オーダーしてくださった方の仕事の原点となったお友達の、大事な形見。
それと同じ帽子ということで緊張していましたが
気に入っていただけたようです。
前の帽子と同じくいつもかぶっているとお聞きしてとてもうれしかったです。
銀座トラヤ帽子店前にて
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★京都の帽子屋さん*帽子屋ポピンズ 帽子プロデューサー。
★自身が、帽子が苦手だった経歴をもつ。
★1000人以上の女性からヒアリングしてわかった、”多くの人に似合う帽子”をプロデュース。
★帽子の形・色・素材・それにかざりの効用で似合う帽子を選ぶやり方をレクチャー。帽子の楽しさをお伝えしています。
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そうなんですよ。
よろこんでもらってうれしかったです!
お客様が、お客様のお友達もデザイナーだということですか?
いいお仕事してますね。すばらしい!!