オペラ歌手の帽子 ~ウールフェルトの帽子
フェルトの帽子のご依頼がありました。お客さまはオペラ歌手です。
お題は“長い髪をあげた上からかぶれる帽子”。
デザインとしてはブリムが上がっていてそこにリボンをかざるのがお好みとのことでした。
フェルトの帽子といえば木型やチップに型入れして作るのでどんなものを持っていたか考えます。
そこで思いだしたのがこのチップ!!
これ、帽子の学校時代に作った私のオリジナルな形のチップなのですが一度も使ったことがなかったのです。
通常チップも木型もクラウンとブリムは別々で、それぞれ型入れして組み合わせ、いろんな形の帽子を作ることが多いです。でもこれは一体型といって、クラウンとブリムがくっついています。一体型だとこの形しか作れないというデメリットがありますが、サイズ元に継ぎ目がないので隠す必要がなく、トリミング(かざり)の自由度が広がるというメリットがあります。
髪の毛をむすんだままかぶるというとサイズを大きくしなければならないのはもちろんですが、高さも必要になってきます。その点これはクラウンが高いデザインなのでちょうどよかったです。
このコートに合わせたいのよ、というコートをみせてもらい、フェルトの色を決定しました。
ワインレッドとえんじの中間みたいな、暖かい色味のフェルトです。それに黄みがかったシルバーのリボンを合わせました。
このリボン、けっこう太いのですがこのくらいがちょうどよかったです。
リボンが太くなればなるほど曲面にリボンを沿わせるのがむずかしくなるのですが、これ、お客さま自身の提案でこのようにねじることにしました!!
すごくすてきで気に入りました。
持ち上がっている方にはとりはずしできるアシメトリーなリボンをつけました。
リボンの端を長くしてブリムに沿わせるのもお客さまの提案。これで前からみてもさびしくないです。
作っている最中、”こんな帽子だれがかぶるの?”と家族に聞かれることがありましたが、このHPの中の”帽子のえらびかた”に書いたように、帽子とかぶる人のゴージャスさがつりあっている、というのが似合う帽子を選ぶポイントでもあります。その意味ではちょうどつりあっていると思います!
髪をあげてもかぶっていただきました。
帽子のサイズはこの方より4センチほど大きいのですがサイズ調節できるサイズリボンをいれてあるので髪の状態によりお好みに変えることができます。
「すっぽりかぶれる~あったかい~」 と、喜んでいただきました。
ところでこのスタイル
絵本の”すてきな三人ぐみ”
のシルエットにそっくりで、小躍りしてしまいます。かわい~
コートのシルエットもかわいくて絵本の中からとびだしてきたみたい!
最後の子どもたちの”赤いマントに赤帽子”、に帽子の色もリンクしててうれしくなりました!
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★京都の帽子屋さん*帽子屋ポピンズ 帽子プロデューサー。
★自身が、帽子が苦手だった経歴をもつ。
★1000人以上の女性からヒアリングしてわかった、”多くの人に似合う帽子”をプロデュース。
★帽子の形・色・素材・それにかざりの効用で似合う帽子を選ぶやり方をレクチャー。帽子の楽しさをお伝えしています。
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